山口さとこ展

pocket > 2001 > 山口さとこ展

更新日 2011-02-07 | 作成日 2008-02-25





yamaguchisatoko1.jpg


yamaguchisatoko2.jpg




p-yamaguchi2.jpg








HOT PICKS


山口さとこ展 
-Mt.ステロイド-

2001年4月3日(火)~4月15日(日) 
但し月曜休廊 12:00-19:00




山口さとこの石彫は独特のフォルムを持っている。それは石の硬さと石を削り出していく「しんどさ」を感じさせず、あたかも粘土で形作られたように自由さを感じさせられる。今回の展覧会「山口さとこ展-Mt.ステロイド」では作家の病気治療の為に投与されたステロイドがテーマになっている。今まで日常生活の中からの体験をテーマとして作品化することはなかった作者があえてしかもストレートに作品として発表するという行為は、彼女の人生の中での重さを感じる。作家はステロイドの服用により副作用として幻覚を体験し、それは自分のからだからエネルギーが立ちのぼり、山ができあがり、血管が道になり血管を流れるステロイドがその山を駆け回る自動車になって眼前にあらわれたという。今回の出品作品「Mt.ステロイド」「病魔」は文字通り、作家の生活の一部を強烈な思いをもって石から切り出したものです。しかしその面影は、なぜか愛くるしく、生命力にあふれています。それは「病魔」でさえ生活の一部とし、苦しみや怒りをまっすぐにとらえている作家の生命力に他なりません。




作家コメント

山口さとこ展「-Mt.ステロイド-」に向けて

山口さとこ

1999.9.14ステロイドの全身投与を受け、私は初めて幻覚を見た。
入院中に描いた7枚のデッサンを元にしてMt.ステロイド病魔(インナーアニマ)などを制作した。
そこにはあまりにもプライベートな意味が、隠されたかたちで赤裸々に現れる。
微震から大地震が起こるように人間のジレンマからヒキツケが起こり
ヒステリーが起こり
その衝動が体を伝って手からあふれるという方法がなかったら、
もっと生々しく被害が拡大するであろう

災害時の、非常口又は応急処置としての作品。
それを発表するという二重の緩衝装置。

2001.February